乳腺外科からのお知らせ
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乳腺外科の特徴
診療内容について
乳腺外科では、乳腺疾患に対する診断や治療を行います。
- ・しこりが気になる
- ・検診や人間ドックで要精査となった
- ・乳頭分泌がある
- ・乳頭の凹みや引き連れ、びらんがある
- ・乳房痛がある など
乳がんは、女性のがん罹患数では最多であり、2020年のデータでは、一生のうち9人に1人が乳がんを発症すると報告されています。乳がんの診断、治療は日々進歩しており、早期に発見・治療すれば克服できるがんとも言えます。何か気になることがあれば、乳腺外科にご相談ください。
検査について
1 画像診断
- マンモグラフィ
- 触診で見つけることのできないような早期の乳がんを発見するのに有用です。乳房をX線で透過することにより、腫瘍・石灰化などを描出することが出来ます。
腫瘍や石灰化の形状や分布により、良悪性の判断をすることが出来ます。
- 乳腺超音波(エコー)
- 超音波検査は、若年者など、乳腺濃度の高い乳房(高濃度乳房)であるため、マンモグラフィでは腫瘤を見つけにくいかたに適した検査です。
- 乳腺MRI
- MRI検査は、強い磁力を利用して画像を撮影する画像検査です。乳腺MRIでは、正常乳腺と病変の部位を区別して、乳がんの診断とひろがりをサポートすることができます。乳腺MRI撮影はうつ伏せの体制でおこないます。造影剤を用いて行いますので喘息があるかた、また、閉所恐怖症があるかたは施行できません。
- CT
- CT検査では、乳がんの乳房内での広がりや、リンパ節転移の有無、肺や肝臓、骨などのへの遠隔転移、他の病気の有無などを一度に検索する事が可能です。
- 乳管造影
- 乳管造影は、乳頭の異常分泌があり、しこりを発見できない場合に行います。乳管造影では乳管の中に造影剤を注入してからマンモグラムを撮って、乳管に異常な部位がないかを検査します。
2 病理診断
- 細胞診
- 超音波で病変部を確認しながら、 細い針を刺して吸引をおこない、細胞を採取します。
針は採血と同じくらいの太さで、検査後は通常の日常生活が可能です。
- 組織診
- 細胞診では診断が難しい場合、組織を採取して調べる組織診断を行います。局所麻酔を用いておこない、当日検査後は入浴、激しい運動、アルコールを控えていただいています。
- 針生検
- 細胞診よりやや太めの針を用いて組織を採取します。
- 吸引式乳腺生検
- 吸引式乳腺生検では、自動吸引装置を備えた針で組織を採取します。より多くの組織を採取する事が可能です。
細胞診や組織診の結果説明は1~2週間後に行います。
乳がん治療について
乳がん診療においては、最新のガイドラインに基づいた患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適なケアを提供し、サポートいたします。
1 手術
■ 乳がんの手術は、しこりを含む乳腺の一部を部分的に切除する乳房温存手術と、しこりを含めて乳房全体を切除する乳房切除術に大別されます。また、術前検査で明らかな腋窩リンパ節の腫大がないかたでは、センチネルリンパ節生検を行なっています。
2 乳房再建
■ 当院は日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の一次再建の「乳房再建用エキスパンダー/インプラント実施認定施設」です。乳房切除術の症例に対しては、ティッシュエキスパンダー挿入による一次乳房再建手術を行っています。また、広背筋皮弁による自家組織での再建も可能です。
■ 再建を行う場合の乳房切除においては乳頭温存皮下乳腺全摘術や、乳輪温存皮下乳腺全摘術など整容性を考慮した手術も積極的に行っています。
3 薬物療法
■ 患者さんごとの乳がんの状態や乳がんの性格(サブタイプ)に応じて、ホルモン(内分泌)療法・化学療法・分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを組み合わせて行います。
■ 血管の確保が難しいかたに対しては、ポート留置による血管確保も行っています。当院では主に上腕ポートを用いています。
4 放射線療法
- 手術後の放射線療法
- 温存した乳房や周囲のリンパ節からの再発を防ぐために行います。乳がんに対する手術の目的は目に見えるがんをとりのぞくことで、術後放射線療法の役割は手術で取りきれなかった可能性がある目に見えないがんを根絶することです。
- 緩和照射
- 進行したがんやほかの部位に転移したがんを対象とする緩和照射も行っています。
乳がん治療中のケア
- リハビリテーション
- 乳がん手術による傷の痛みなどにより腕が挙がりにくくなるため、術後早期(入院中)よりリハビリテーション指導を行います。早期にリハビリテーションを実施することで、術後の後遺症を可能な限り予防します。セルフケアに取り組めるよう指導を行います。
- リンパ浮腫
- 術後、浮腫がおきても早期に対応できるよう、スタッフが指導いたします。また、リンパ浮腫が起きた場合のサポートをいたします。
- アピアランスケア
- がんの治療中は、脱毛や肌の変色、爪の変化、手術による傷、放射線治療による皮膚炎といったさまざまな外見の変化が起こることがあります。このような外見の変化に対する医療者のケアを「アピアランスケア」といいます。
アピアランスケアでは、ウィッグ(かつら)やスキンケア、化粧、ネイルケアなど外見の変化を補完すること以外にも、患者さんの外見の変化に対する悩みや苦痛を軽減するような支援も含まれます。患者さん一人一人がその人らしく過ごせるようサポートができればと考えております。お気軽にご相談下さい。
また、当院では、爪のトラブルに対してはフットケア外来でケアを行うことが出来ます。
遺伝性乳がん卵巣がん症候群について
■ 2020年4月より、以下のいずれかに当てはまるかたに対してはBRCA1/2遺伝学的検査が保険適応になっており、当院でも検査が可能です。
- ・45歳以下で乳がんを発症された人
- ・60歳以下でトリプルネガティブ乳がんを発症された人
- ・2個以上の乳がんを発症された人
- ・第3度近親者内(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこまでの血縁者)に乳がんまたは卵巣がんを発症された人が1名以上いる人
- ・乳がんを発症された男性
- ・卵巣がん、卵管がんおよび腹膜がんを発症された人
遺伝性の乳がんに関して必要な情報を説明いたします。十分に理解していただき、お気持ちやお考えの整理したうえで、自らの意思で遺伝子検査を行うかどうかを選んでいただけるようにサポートいたします。
受診について
乳腺外来は月・水・金です。
症状が気になるかた、検診や人間ドックで要精査となった方は電話で乳腺外来を予約してください。
他院より紹介の患者さんは紹介状をお持ちになって乳腺外来を受診してください。
セカンドオピニオンについて
当院でのセカンドオピニオンについて、ご希望の方は予約をお願いいたします。また、当院で診断・治療中の方でセカンドオピニオンご希望の方は遠慮なく申し出ください。
診療・手術の実績
外来担当医表
受付 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
午前 | 時澤 博美 | 時澤 博美 | |||
午後 |
※受付時間について
・初診の患者様/8:30~10:30まで(午前中のみ)
・紹介状持参および通院の患者様/8:30~11:00(午前)、13:00~15:00(午後)まで
※2024年10月07日現在の体制表です。最新情報については地域医療連携室へご確認ください。
診療医師紹介
時澤 博美Tokisawa Hiromi
- ■ 専門分野
- ・乳腺外科
- ■ 所属学会・資格など
- ・日本外科学会専門医・指導医
・日本乳癌学会専門医・指導医
・検診マンモグラフィ読影認定医
・乳がん検診超音波判定医認定医
・日本がん治療認定医機構認定医
・日本消化器内視鏡学会専門医
・日本消化器病学会専門医
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会施設責任医師
・医学博士
- ・日本外科学会
・日本乳癌学会
・日本癌治療学会
・日本臨床腫瘍学会
・日本遺伝性腫瘍学会
・日本乳癌検診学会
・日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
・日本臨床外科学会
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